リサイクルトナーは、プリンターやコピー機などで広く利用されています。メーカーの純正品を新規に購入するより価格が安くお得です。しかも、プラスティックや貴重な金属などの部品を再利用するため資源の節約になり、地球環境にも優しいと言われています。
コストパフォーマンスに優れたリサイクルトナーの再生過程を見ていきます。
使用済みのトナーカートリッジの回収
プリンターやコピー機メーカーは、自社の純正トナーカートリッジを利用者が使用した後に回収できるように、専用の回収箱を用意しています。会社や学校などの大口利用者の場合は、その会社や学校などに回収箱を直接設置しています。
家庭用のプリンターなど個人の利用者の場合、図書館などの公共の場に専用回収箱を設置し、利用者自身が使用済みカートリッジを持ち込んで回収できるようにしています。専用の回収箱がおかれている場所は、メーカーの純正トナーカートリッジを取り扱っている店舗の店頭や、郵便局や自治体などの公共機関などです。
これらにより、広く使用済みトナーカートリッジを回収できる仕組みになっています。専用回収箱は満杯になったら、回収業者が引き取りに来て、トナーカートリッジをリサイクル工場へと運んでいます。
回収したトナーカートリッジの検品
リサイクル工場では、最初に使用済みトナーカートリッジがメーカーの純正品であるか、カートリッジが壊れていないかを検品しています。トナーカートリッジにはメーカーの純正品の他、純正品に合わせてサードパーティーが製作したトナーカートリッジがあります。
これらのカートリッジの部品は、純正トナーカートリッジを製造するメーカーには保持していないので、カートリッジを修理してリサイクルすることが出来ません。そのため、まず最初に純正品以外は除外しています。この検品をする場所は、リサイクル工場内にない場合もあります。
リサイクルする使用済みトナーカートリッジは全国から集まるため、専用の仕分け拠点を設置している場合です。また、特定のメーカーだけでなく、全てメーカの純正品を集め、メーカーごとの仕分けから行っている場合もあります。
その後、仕分けられたメーカーごとにリサイクル工場で再生されます。これはプリンターメーカーの共同プロジェクトで、一社で仕分けを行うよりも効率的で、コストの低減にも繋がっています。更に、この仕分け作業は回収作業を含めて、障がいのある方や高齢者などの雇用の確保や拡大にも貢献する、重要な役割を果たしています。
トナーカートリッジの再生
検品が済んだ使用済みトナーカートリッジを、回収した状態でそのまま使用するわけではありません。まず、トナーカートリッジに残っているインクを全て抜き取ります。そして、カートリッジの検品で見つからなかった、ケースや電子部品などの金属類の細部をチェックするために、カートリッジを部品レベルに分解します。
各部品は洗浄した後、壊れている部品がないかを念入りにチェックします。摩耗と劣化や壊れている部品については、修理をしたり新しい部品と交換します。
使用できる部品が揃ったら、各部品を組み立てて新しいトナーを充填し、再度使用できるように仕上げます。基本的には、構造は純正品と同じですが、使用済みカートリッジに修理や加工を施す場合もあるので、再生後は純正品と細部の形状が異なっている場合もあります。
また、壊れているプラスティックや金属類は、主に再び原料として再利用されています。
更に、材料としても再利用が不可能なプラスティック部品については、リサイクル工場内などで熱源として再利用されます。
リサイクルトナーの出荷
完成したリサイクルトナーは、出荷の前に、その品質が良好であるかを一つ一つテスト印字して確認しています。リサイクル品であるからと言って、決して手を抜きません。製品である以上は、利用者に迷惑をかけてはいけないので、純正品と同様にリサイクルトナーも品質検査に合格したものだけが出荷されているので安心です。
品質検査に合格し検品が終了した後、梱包に際してもリサイクルした包装材料を用いて、丁寧に梱包して集荷し倉庫で保管されます。利用者がリサイクルトナーを購入する販売店からの注文を受けて、倉庫から出荷されて行きます。
リサイクルトナーのメリットとデメリットとは
リサイクルトナーの最大のメリットは、メーカーの純正トナーカートリッジに比較して、格段に安い点が挙げられます。また、純正品はプリンターやコピー機のシリーズ品ではトナーカートリッジの型番が同じですが、新しい機種が販売されるとトナーカートリッジの型番が変わり、古いタイプのカートリッジはやがて製造されなくなる場合があります。
新品の純正カートリッジが製造中止になっても、リサイクルトナーは中古品なので、製造中止から数年は遅れるのが普通です。新品の純正カートリッジが無くなった場合でも、リサイクルトナーが利用できるというメリットがあり、まだ使えるプリンターやコピー機の利用者にとっては、とても助かります。
価格が純正品より安いリサイクルトナーですが、デメリットとしてはインクが出ないとか、インクの出にムラがあるなどの不具合が発生する場合があります。使用済みのカートリッジを再利用しているため、品質チェックで合格品となっても、チェックしきれていない箇所があると、不具合が発生してしまいます。
不具合により使用できない場合に備えて、予備のリサイクルトナーを持つことをおススメします。また、不具合のあったリサイクルトナーは、申し出れば新しいリサイクルトナーと交換してくれるので安心です。ここで、メリットであるリサイクルトナーの低価格は、メーカーの純正トナーカートリッジと、その製造と再生過程で利益構造が異なるためです。
メーカーの純正品は、設備投資をした自動の生産ラインで製造しているため、その投資費用や製造ラインで働く作業者の人件費などを商品の原価に上乗せしているので、リサイクルトナーの再生過程でかかる費用とは根本的に違っているからです。
また、リサイクルトナーの再生事業には複数の企業が参入していて、そこでも企業間の競争が起こって低価格化が促され、大変安い価格になっています。このように価格メリットの大きいリサイクルトナーは、地球環境にも優しく低価格であり、しかも障害のある方や高齢者などの雇用機会の拡大にも寄与しているので、最大限に利用したいものです。
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